「ねぇ、冷蔵庫にゴディバが入っているんだけど……これは何?」

「えっ?」

サトシの肩がぴくりと跳ねた。

「これも、今日貰ったの?」

「あ……うん」

「誰から?」

「それは……義理だよ。義理チョコ! 看護師さんから貰った義理チョコだよ、それも」

「……」

私が黙っていると、サトシが言い訳を始めた。

「俺、チョコって詳しくなくてさ。でも、そのゴディバって有名なんだろ? 俺が前にゴディバのことを知らないって言ったから、それを聞いていた看護師さんが、この機会に義理でくれたんだ。義理でな!」

あくまでも義理だと主張するサトシ。

「ふーん。でも、ゴディバでこのサイズだとけっこう高いよ。値段的には、本命レベル」

「……」