なっ……なんですと!?

ちょっとサトシ、何を言うかな。

あのね、私はあくまでも手伝いで、メインで片付けるべき人はあなたなの。

だってこれは、あなたの引越荷物で――

「じゃ、よろしく!」

「いや、あのちょっと待っ……!」

右手を伸ばし制止をしようとするもむなしく、サトシは軽やかに部屋を出て行ってしまった。

その直後、所在を失った自分の右手を呆然と見つめる私の耳に、隣の部屋からパソコンを立ち上げる音が聞こえてきたものだから、私は大きなため息をついたのだった。


……ねぇ、サトシ。

今日、私が片付け要員として呼ばれたのだとしても、それはそれでいいわよ。

でもその場合、普通は「一緒に」やるものなんじゃないの? 

私が一人で片付けをして、その間、あなたはパソコンで遊んでいるわけ? 

そんなのアリ?