「――友里ちゃんは、スノボ初めてなんだって?」
スキー場に到着し、早速着替えてゲレンデに集まると、谷本先生が私のボードをしげしげと眺めた。
「はい」
「ボードもピカピカだもんな」
ボードもウェアも、今日が初おろし。
レンタルでいいと言ったのに、これからも何度も連れて行くつもりだからとサトシが買ってくれたのだった。
「それにしてもさ、俺、教え方上手くないから初心者の友里にどう教えればいいのか分からないんだよな」
いきなりそんなことを言い出したサトシに変わり、谷本先生が、自分が教えようかと提案してくれる。
するとサトシは
「お願いできますか? じゃあ友里、がんばれよ」
あっさりと私を谷本先生に押し付け、「じゃあ行きましょう!」と、意気揚々と結衣子さんをつれて上級者コースへと向かってしまった。


