「鈴っ、今日駅前の新しい雑貨屋さん行こうよ!」



「いいよー、あたしもあそこ行きたかったんやぁ」



教室の端っこ、窓際の席で、
春の風を受けながら

彼女は友人の誘いを快く引き受けた。






彼女、野風鈴(のかぜ れい)は
地元の隣町の女子高に通う
、高校1年生。



髪は栗色でロング。
くせっ毛なせいで、少しウェーブがかかっているようだ。

瞳の色も、黒ではなく
髪と同じ栗色。



カナダ人の祖父と日本人の祖母の間に生まれた、
ハーフの母親。



どちらかと言うと、祖父の血が濃く出ているらしい。



その母親と、日本人の父親の間に生まれたのが、鈴だった。



そして彼女もまた、
母親の血を濃く受け継いでいるらしい。






そのため、周りとはかなり違う外見だが、
鈴がそのことを気にして口にしたことはなかった。