怒ったわけじゃなかったけど黙った私を怒ったと
誤解した理沙が不安そうに訪ねてくる。



「…怒ったの?」

「違うよ..ただ複雑なの!理沙ならもっと上が目指せたはずなのに、」

「気にしすぎ、私が選んだんだよ。後悔なんかないし同じ学校に同じクラスで嬉しいのっ」



頑として譲らない理沙の目を見たら本当に後悔なんかないんだって
伝わった。


そしたらなんだか嬉しくて、
複雑な気持ちは軽くもなったし
まだ肌寒い帰り道を急いだ。



新たな生活や
もやもやした気持ちに
期待とか不安とかを心の隅っこに置いて。