あたしと先輩は手を繋いだまま駅のほうへ歩く
うぅ…
会話が…ないよ〜
どうしよう?
「えーと…榎本先輩?」
「んー?」
先輩はあたしのほうを見ずに返事をする。
「これ…どこ向かってるんですかね?」
苦笑いしながら聞くと先輩は急に足を止めてあたしのほうに向いた。
「新しくできた駅ビル行こっか!」
「え…あ…はいっ!あたしも行きたかったんですよ」
あたしは目を輝かせて答えた。
だってだって!
新しくできた駅ビルっておいしいクレープ屋さんできたんだよね…
もうめっちゃ行きたかったんだよね〜
「よかった〜杏菜ちゃんクレープ好きだからさ」
「……??…大好きです!」
あたしはその言葉に一瞬違和感を感じたが大好きなクレープのことで頭がいっぱいで嬉さいっぱい駅ビルに向かって行った。

