「…なんだよ?」

視線に気付いた田渕くんはあたしの方を向いた。
まさかバレるとは思っていなかったからあたふたしながらあたしは苦し紛れの笑顔を作った。

「いや〜なんでこんな人がモテるのかな…と」

「は?"こんな人"ってなんだよ」

「"こんな人"って言ったら"こんな人"でしょ?あんた馬鹿?」

「あ゙〜?馬鹿はどっちだ!このまな板女!」

「まなっ!?体型なんか関係ないでしょー!これから急速に成長するもん」

「今このサイズなら一生そのサイズだな〜」

言い合いを続けているとちょうど委員長ら三役と担当の先生が会議室に入ってきたので二人はそのまま言い合いをしながら席に着いた。
徳美はそんな二人を見てクスクス笑いながら祥平くんを促して二人の後を折って席に着く。
あたしの隣はもちろん言い合いをしている田渕くんだ。

「もう…あんたと言い合いしてると疲れる。………あっそうだ聞きたかったんだけど、えーっと…あの…さくらちゃんとの関係って?」

委員長が説明を始めたのでさっきより少し小さな声にしてそう聞くと田渕くんは一瞬戸惑った表情を見せたがすぐに答えてくれた。

「…元カノ」

「え!?」

大声でそう叫ぶと辺りは静まり返り視線があたしに集中する。

「えっと2年4組杉さん、静かにしてください。」

委員長に言われ恥ずかしいそうに頭をぺこぺこ下げる。
が、内心あたしは田渕くんの回答と案外素直に答えたことには動揺を隠せないでいた。

「やっぱ馬鹿だな、おまえ………まぁあいつは終わったって思っているけど俺は…」

元カノ!?
イコールさくらちゃんの元カレ!?
なにそれ聞いてないし!?
ってか年の差…
どこで知り合ったわけよ
……あれ?