「じゃあ中学のときいきなりイメチェンしたのって南校入るためだったんだ…」
徳美が中学時代のイメチェンぶりを思い出しながらそうつぶやくが違和感を感じ頭をひねる。
「ってか、なんか聞いた感じむしろそれって…」
ん!と何かに気付きあたしと祥平くんのことを交互に何度か指差すと祥平くんは"なんだよ"としらばっくれたような態度に徳美はニヤニヤ視線を送った。
そんな徳美をあたしと田渕くんは意味がわからず不思議そうにながめることしかできなかった。
「つーか杉杏菜、お前って相変わらず無謀で馬鹿なヤツだな。」
「なっ!?また"馬鹿"っていった!もう…なんで無謀なのよ!?」
「普通危ねぇヤツラの中に飛び込もうとか思わないだろ…返り討ちに遭ってたかもしれねーだろ」
また"馬鹿"呼ばわりされたあたしはキッと田渕くんを睨んだが、逆に睨みかえされた。
う…。
なんか睨み返された。
なんで?
困ってる人助けるってそんな悪いことなの?
じゃあ見過ごせっていうの!?
「でも…あたしもその件に関しては田渕くんに一票。あんま無茶で危ないことしないで…」
徳美は悶々としているあたしを心配そうな目で見つめてきた。
あ…
そっか…。
危ないとこに自ら飛び込んで、一歩間違えればあたしの身の安全も危ういことして、みんな心配にさせることもあるんだ…。
あたしはその目をみて"もうしないよ"とギュウッと徳美を抱きしめた。
が、すぐに離れる。
ちょ、ちょっと待ってよ…
今の話の流れ的に"田渕くんがあたしの心配してくれた"的なことになってない?
いやいやいや!
そんなことない…よね?
祥平くんと違う話をしはじめいる田渕くんをチラッと視界に入れたがその脳天気な笑顔にあたしは苦笑いをした。
コイツがそんなこと思うわけないよな〜
うん、断じてない!

