濃い恋来い!


あたしは祥平くんとの出会いを回想をしながら話終えると徳美がなぜか不思議そうな顔で見てくる。

「ちょっとその話おかしくない?」

「何が?」

「いや…だって高校入って一度くらい見たことあったでしょ?なんで祥平のこと知らなかったの?」

"確かに"と田渕くんはうなづく。
なぜあたしが高校に入ってから一度も祥平くんと絡みがなかったのか。

「それはだって…外見が…」

『外見?』

徳美と田渕くんは声を被らせて聞き直す。

「全然違うんだもん!中学のときはもっと金髪っぽくて、髪も短髪じゃなくてもっと長くて、ネクタイしてないし、ワイシャツ第3だか4ボタンまで開けてるしでこんなキチッとしてなかったんだもん」

そういうと田渕くんは祥平くんのことを上から下まで見てぷっと笑ってそのあとはそれ以上笑わないように堪えていた。

「お前中坊のときのほうがヤンチャだったのかよ」

「悪かったな」

笑い堪えてる田渕くんを少し睨んだ。