「ごめん!遅くなっちゃった!」
祥平くんは辺りが暗くなりはじめたことに気づき公園の時計を見て慌てて立ち上がった。
「ホントだ!?…じゃああたし帰るね。今日は楽しかっ…たのか?ありがと」
「うん…怖い思いさせてごめん。俺、杏菜ちゃんのことめっちゃ感謝してる」
「怖かったけど…祥平くん助けられたし!もう悪いことしないで自分に正直でいてね。じゃあ」
あたしは手短に荷物をまとめて祥平くんに手を振った。
「送るよ!」
そういって祥平くんも荷物をまとめはじめるがあたしは首を左右に振って
「大丈夫」
と笑顔で返した。
祥平くんは"そっか"というように荷物をまとめる速度を緩め、あたしの方に向き直った。
「あ.えっと…あの…高校!南校!俺も行こう…かな」
「ん?さっき丸校行きたいっていってなかったけ?」
「今決めた!絶対行くから」
真剣な顔でそう言われたあたしは頭を"?"でいっぱいにする。
「…? うん。頑張ろうね」
そして二人はお互い手を振ってバイバイをした。
それがあたしと祥平くんの最初の出会いだった。
οОοОοОοОο

