「あ.やっ!えっと…あの!」
男の人はなぜか顔を赤く染めてしどろもどろになって声を裏返して立ち上がった。
そして横を向きながらあたしに手を差し延べてくれた。
あたしはそれを頼りに立ち上がる。
「芦原中2の1杉杏菜…?」
「あれ!?なんでわかるの!?」
「制服…運動靴の袋」
「あ…あぁ!」
あたしは春休み入るから洗濯しようと持ってきた運動靴の袋を見て名前が書いてあること確認した。
「えっと…あなたは水橋中だよね?問題児グループの……あっ!」
"問題児"という単語を発したことに気付きあたしは両手で口を覆った。
「ご.ごめんなさい!」
「ぶはっ!あははは!あんた素直だな。俺は並木祥平。祥平でいいよ」
お腹を抱えて笑うだけ笑ったあと並木祥平と名乗った。
「しょ.祥平くんね!じゃああたしも杏菜でいいよ」
「了解!杏菜ちゃんね」
二人はそれからしばらくたわいもない話を近くにあった公園で話した。
それぞれの学校の話、過去の恋愛、進路の話。
気付けば辺りは暗くなってきていた。

