「はぁ…いーなあ…みんなの憧れ榎本先輩にデートに誘われるなんて」

うっとりしながら教室の中に戻っていく徳美を追いかけあたしは肩をつかんだ。

「デ.デート!?なにそれ!?」

「だって今誘われてたじゃん??放課後付き合うんでしょ??イコール!デートじゃん」

徳美は満面の笑みであたしを見たて肩にのっかってたあたしの手を払った

「頑張れ杏菜☆」

「無理!?無理無理無理無理無理!!そんなのできないよ!!ってかなんであたしなのよ!!徳美代わりにいってよー!!」

あたしは全力でそう言い返した。

「はぁ…杏菜はホント鈍感だからな…ま.とりあえずあたしは代わりになんか絶対行かないから!たまにはいーじゃない!恋愛したことないんだから」

「うっ…確かに恋愛経験値0ですけどあたし無理だよ!!ってことで放課後は帰る!」

うん。というかんじに杏菜はうなづいて自分の席に戻ろうとすると

「あ〜ぁ…あの榎本先輩がこの寒空のなか待ちぼうけかぁ…可哀相だな〜」

徳美は聞こえるよう大きい声で独り言を言い始めた。

杏菜の肩がビクッとなる

「あ!それを見た榎本ファンはどう思うかな〜たぶん待ちぼうけさせた人を探して.いじめに来るかもね…ま.あたしの知った話じゃないし!いっか」

あたしは元来た道を引き返し徳美の両肩を強く握った

「い.い.い.行かせていただきます!!」

そういって数回うなづいた。

「よし!頑張れ杏菜☆」

徳美は嬉しそうに笑って自分の席に戻っていった。

…なんか.徳美にノせられたかんじなんだけど…
心の中でつぶやいてあたしも自分の席に戻っていった。