しばらくぽーっとしていると徳美が急いで黒板の近くからあたしの元に吹っ飛んできた。
「ちょちょちょっちょ!」
意味のわからない言葉を発しながらあたしの目の前で手をひらひら振る。
なに赤くなってる自分!
担任だぞ担任!
何男感じてんだー!
ま、確かにかっこいいけど…
ってちゃーーーう!
それとこれとは話が違うって。
あたしははっと我に返って頭をふるふる振った。
「ちょー!?何今の?朝倉どうした!?ってかそこで耳まで真っ赤になる杏菜もどうなの!?」
徳美は一人で暑く力説をしている反対にあたしは小さく冷めたため息を吐く。
「別になんともないって…」
「いやいや赤くなる理由ないでしょ!?」
「だーかーらっ……なんでもない」
途中まで言いかけた言葉を飲み込んだあたしはまたほうきを掃きはじめる。
そこで徳美はまさか!と何かに気付きあたしをニヤニヤ見つめた。

