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ー2組ー
「なんなんだ…?」
田渕は超特急で走り去った杏菜の背中を見送り教室内に戻った。
戻るや否や田渕の周りには男友達が集まってき、その中で明るい茶髪の男の子が田渕の肩に腕を回す。
「真宏〜あれ杉杏菜じゃん?あんな可愛い子といつ仲良くなったんだよ」
「ん?…あぁ昨日いろいろな…」
「いろいろ〜?」
「まぁいーじゃん?ってか祥平なんであいつのこと知ってんの?」
「なっ!?まじかよ真宏!?」
田渕のまさかの質問に"祥平"と呼ばれた男子も含む周りにいた男子たちは口を揃えてそういった。
俺が説明しよう。とメガネをかけた男子が説明を始める。
「杉杏菜っていったらまず第一に美人!男女問わず受けのいい顔!ついでに性格も最強!優しいし頼れるしノリがいい!誰もが憧れる人気者だぜ!?スタイルもいいんだよな〜あぁ1回でいいから抱いてみt…
「あいつまな板だぜ」
メガネくんの説明中、"スタイルがいい"という言葉を耳にした田渕は少し眉をしかめてそう吐き捨てた。
「……」
数秒の沈黙があったあと祥平は改まって田渕と向き合う。
「なんでそんなこと知ってんだよ?」

