ー2組ー
2組に着くとそこにはあたしたち4組と違って教室にはほとんど全員揃っていた。
うわ〜
こんななか、田渕くん呼ぶの!?
やーだー!
…やっぱ帰ろうかな〜
「あれ?杉さんじゃん?どうしたの?誰かに用?」
帰ろうと後ろ足を引いたところでドア付近にいた男の子が声をかけてきた。
「あ!えっえーと…その…田渕くんいますか?」
驚きと焦りでしどろもどろになりながらもやっとのことで答えると
「え゙!?田渕!?……はいよ〜」
ん…?
"え゙!?"ってなんだ…?
気付けば周りの視線があたしに集中している。
ところどころでざわつきがある。
なんで?
そんなに田渕くんを訪ねてくるのが珍しいのか?
「なんだよ?」
「っ!?」
そんな考えを巡らしていたらいつの間にか目の前に田渕くんがいた。
「あ…えーと………」
そのあと言葉が出てこないあたしを"ふっ"っと笑って指を立てた。
「はい!今お前が思ってることを当てようぞ!なぜこんなにも周りがざわめくか…それはお前が高校で初めて俺にちゃんと訪ねてきた女子だからだ!」
「…は?」
「いやだから初めて訪ねてきた女子」
そういってあたしを指差す。
なにどういうこと?
このイケメンを訪ねてきた女子第一号があたし?
…まっさか〜
あたしが何を考えてるのかわかったの田渕くんはため息をつき
「…お前やっぱバカだろ?」
「はぁ!?」
"バカ"の二文字を聞いて混乱していた脳みそが覚醒をした。
「バカじゃなーーい!」
そう叫んで田渕くんを睨むと田渕くんは呆れたようにまたため息を吐き出した。

