ー 翌朝

あたしはいつものように電車に揺られ学校に向かう。

「おはよっ」

「きゃっ」

そういきなり後ろから誰かに飛びつかれ、あたしは短い悲鳴をあげて振り返った。

「なんだ〜徳美か!おはよう」

飛びついてきた人の正体がわかって改めてあいさつをした。
周りの人達はあたしたちを不信そうな目で見てくる。

「もー馬鹿っ!あんまり簡単に悲鳴あげないでよね?ってかてか!どうだった昨日!?」

「…昨日って?」

「なにとぼけてんの〜ほら榎本先輩だよ!」

あたしは不思議そうな顔をして徳美を見たあと"榎本先輩"と聞いて一気に表情が強張らせた。

「…え?どうした?」

徳美はそんなあたしを見て戸惑っている。

「はぁ…もう…徳美聞いてよぉぉぉ」

半分涙目で徳美に昨日あったことを田渕くんの一件も含めて説明しはじめた。