｢重いよね…ごめん｣
｢うん.重い｣
｢…すいません｣
即答されて少し返事に間のあったあたしをチラッと横目でみて田渕くんはニコッと笑った。
｢まあ普通重いでしょ…男子に比べたら超余裕だけどね〜｣
田渕くんはそういってうけけっと笑った。
なんなんだこの人…
いじわるだったり助けてくれて優しかったり
どっちが本物…？
｢にしてもさ.榎本先輩も意外過ぎるよなぁ…｣
｢なにが??｣
あたしはひょこっと田渕くんの肩から顔を出す。
｢だって南くんで人気者だから困ってないはずなのにさ…｣
｢…??なにが言いたいの??｣
｢いや.だからさ!なんでこんなまな板で色気のないヤツを選んじまったんかなぁって｣
｢…は??｣
なんか今…
コイツあたしを侮辱するようなこと言った!?
((まな板))とか((色気ない))とか言った!?
｢だーかーら!なんでこんなまな板で色気ない女選んだんだって言ったの｣
前言撤回。
優しさとか微塵もない！
２回も！
２回も同じこと言ったよこの男!?
信じらんない!
あたしは田渕くんの背中でわなわな拳を震わしてから田渕くんの頭を思いっきり叩いた。
