「なんで…?」

あたしは涙を隠しながら聞く

「なんでかね〜?なんとなく泣いてる気がしたから…ビンゴー!!」

「別に泣いてないし!!」

「あっそうですかっ!じゃあ、はい…」

言い合いをしてるといきなり田渕くんがあたしに背を向けてしゃがんだ。

「乗んな」

「!?…いいよ」

「歩けないだろー?」

そういって手をひらひら動かした。

「大丈夫!」

「…可愛くねーな」

「!?……お言葉に甘えて」

あたしは顔を真っ赤に染めて田渕くんの背中にしがみついた。

「いーこいーこ!」

そうして((よいしょ))とあたしを持ち上げて駅の方へまた歩き始めた。