「お前油断しすぎ」
「は…い?」
いきなり話しかけられて驚いたように答えた
「お前だよ、杉杏菜。恋愛音痴にも程があんだろ!?あんなやつ一目見ればお前に発情してんの丸わかりじゃん…」
「いや…あの…田渕くん?」
あたしはよく状況がわからないまま田渕くんを見つめる
「いや!違うなただの恋愛音痴じゃここまでじゃねーか!ってことはただの馬鹿だな」
あははっと田渕くんは笑ってまた駅の方に向かって歩いていく
「は?ば…か?
…ふっざけんなぁぁぁ!!!!!!!」
やっと内容を理解したあたしは田渕くんを睨みつけ立ち上がろうとすると足がすくんで立ち上がれない
え…?
立ち上がれない?
やばい…腰抜けてる…
あ…れ?
なんか目が…
あたしの目には涙が浮かんでいた。
上を向くけどそれは溢れ出て頬を伝う。
「だから女は面倒なんだよ」
「え?」
声をしたほうを向くと遠くまでいってしまっていた田渕くんがいたのだ。

