奴らは、きみの顔を見て数秒したあと驚いた顔で逃げて行った。


『やっべえ!殺される!』


その声がふざけているようには、とても思えなかった。
だってあの、青くなった顔。


奴らがいなくなったあと、きみはわたしの顔を覗き込んだ。


『水城さんっていうの?』
『そうだよ』
『可愛いから大変だね』


そう言って、きみは目元がくしゃりと潰れるように笑った。
わたしの顔が赤く、熱くなるのがすぐわかった。