だから恋とは呼ばないで



「で、若様。なぜペットを?」

「……似てたから」




そう、美喜は俺が好きだった人間の娘にそっくりだった。




あれは、もぅなんとなくしか思い出せないが、まだ俺が幼い頃だった。



『さくら』




それが俺が好きだった人の名前でもあったし、好きな花でもあった。




だが、さくらは俺の前で灰になった。




――殺されたからだ。