「みず、き?」 「…欲しい」 「…血が?」 「あぁ、欲しい」 じりじり近付いてくる水樹にあたしはおずおずと尻餅をつきながら後ろに下がるしかできなかった。 「………」 「俺が恐いか?」 「…わかん、ない。でも、今の水樹は、恐い…」 「そか…」 水樹は元の位置に戻りあたしから目を反らした。 でも、水樹の背中が寂しそうだった。