だから恋とは呼ばないで



「美喜…」




まだ、近くにいるかも知れない。




「美喜――っ!!!」

「…………」



近くにはいないのか、聞こえてないのか




どちらにしよ、事態は最悪。




「早く見つけねぇと…美喜――!!!」




辺りには何もなく、ただ枯れた草、木や、荒々しく削れた岩などしかない。




こんなところに美喜が一人で…。