ーーーーside 和馬
テレビをぼんやり見ながら、
ついてもいない顔の汚れを気にして風呂に入ると言う桜を見送った。
パタンと扉のしまる音を確認してから
思いっきり息を吸って
「はぁーーー。」
天井を仰ぎながらはいた。
「どうすればいいんだろ、これ」
そのまま目を閉じて考え事に集中してみる。
正直こんなことになるとはこれっぽっちも想像していなかった。
親にこの学園に突っ込まれてはや9年。
アイドル科になんとなく進学して、
寮生活になって、兄妹同然のサクにも
もう、たまにしか会えなくなると思ってたから
こうやって一緒に学園で生活できることは
嬉しくないかと言われると嬉しい。
けど!!
男女がひとつ屋根のした、
し、しかも男子寮の同じ部屋で暮らすってどうなの?
しかも、本人は危機感ないどころか初っぱなからほっぺにキスされてるし、、、
(俺はそれを早く洗い落としてほしくて風呂を進めた訳だけど、、、)
どーすれば、って
うだうだ悩むなんて俺らしくない!
「よしっ!」
気合いを入れて立ち上がる。
とりあえずわかってるのは、
これかは俺が悪い虫共からサクを守ってあげなくちゃってことだ。
問題は後々また解決していこう!
そうと決まれば、今は取り合えず、お風呂上がりの幼馴染みのために、
冷たいお茶を用意してあげよう。
それから、少しだけ話をしよう。
俺は冷蔵庫へむかった。
ーーーーside end 和馬
