星歌学園




『ここにたっている...』


というわけなんだっけ。


あ、なんだか悲しくなってきた。


しょんぼりと哀愁にひたりながら、ふと視線をさげると、
普通の高校と比べて
かなりセンスのいいおしゃれな制服を身に付けた自分の足が見えて、

さらにどんよりしながらとりあえず門をくぐった。



入らなくてもわかってたけど、にしても、この学園は広い。

なんせ端が見えないほどの敷地の広さなのだ。


『迷子になるまえに、あちこち見ておこうかな』


この歳になって迷子とかカッコ悪い。

そう思って私は軽めの鞄をかかえなおして
美しい桜並木を眺めながら歩きだした。



ヒラヒラと舞う桜に夢中だったからか、



「桜・・・・?」


その後ろすがたを見て首をかしげる人がいたなんてことは知らなかった。