このまま学校になんて行けない

わたしバカみたいだ


トボトボと家に戻って、まっすぐ台所に行った。


「せっかくご飯を作ってくれたのにごめんなさい」

うつむいてお手伝いさんに謝った。

圭吾さんにも謝らなきゃ


「志鶴ちゃん?」


優しく呼ばれて顔をあげると、伯母様がハッと息を飲んで『圭吾を呼んで』と誰かに小声で言った。

それからすぐに、圭吾さんが台所に飛び込んできて、凍りついたように足を止めた。


「志鶴?」


なぁに?


「どこか痛い?」


ううん


何かが頬を伝ってる

いやだ わたし泣いてる?

ボロボロ泣いてる?


圭吾さんがゆっくり、本当にゆっくり近づいてきて手をのばした。


「おいで、志鶴」