「驚いた? 驚いたのはこちらもよ」

彩名さんはそう言って笑った。

「あの子ったら、志鶴ちゃんが来た日から夕食の席に顔を出すようになったの。圭吾は志鶴ちゃんの中に何かを見たのね」


「彩名さ~ん、プレッシャーかけないで下さいよ」


「実際の話、志鶴ちゃんにとっては何がいけないのかしら? 圭吾は見た目もいいし、経済力もある。あなたにはとても優しい。話も合うように見えるわ――圭吾が嫌いな訳ではないでしょう?」


「好きですよ。ただお兄さんにしか思えないだけで」

ため息をつく。

「圭吾さんだってお兄さんって態度のままだし……本気なのかなぁって」


彩名さんはクスッと笑った。

「それは圭吾に面と向かって言わない方がいいわね。その場であの子の部屋に引きずり込まれたいのなら別だけど」


うわぁーっ うわぁーっ

どうしろっていうのぉ!

完全にわたしのキャパ超えてるって!

……涙目になりそう