二人で並んでソファーに座った。


「クリームブリュレって何?」

圭吾さんがきいた。


「プリンみたいなの」

「どんな味?」

「クリームブリュレの味――はい」


わたしはスプーンですくったクリームブリュレを差し出した。

圭吾さんがパクッと食べる。


「うわっ、甘いな」

「そう? おいしいよ。これ、どうしたの?」

「お客さんの手土産だよ」


ああ――


「さっき伯母様のところに来たお客さん?」

「うん」

「お見合い写真、持ってきたでしょ」

「あれ? どうして知ってるの?」

「あの人、前にも持ってきたもの」


あの黒い四角いバッグに、何人もの写真が入ってるに違いない


「そうだっけ? でもちゃんと断ったよ」

「美人だった?」

「美人だったよ。それってヤキモチ?」