顔をしかめるわたしをよそに、シラユキは差し出された好物――うごめく巨大ミミズをペロッと平らげた。

この餌付けが嫌で、たいていの女の子は闘龍をやらない。


「すごいしかめっつらだよ」

圭吾さんは笑いながらわたしの眉間のシワをのばした。

「少し休むかい? 冷蔵庫にデザートが入ってるはずだよ」


「うん!」


わたしは跳ねるように圭吾さんの後ろから螺旋階段を上った。


圭吾さんの部屋にも、彩名さんのアトリエのようなミニキッチンがある。


「えーと……クリームブリュレとかいうのがあるけど」


わお!


「食べる!」


洋菓子店のラベルがついたクリームブリュレとプラスチックのスプーンを渡された。


「圭吾さんは?」

「僕はこれで」


缶入りのブラックアイスコーヒー。

一口だけ飲ませてもらった事があるけど、どこが美味しいのかさっぱり分からない。