龍神様の子孫?


「えーと、正式には線のこと何て言うんだっけ?」


「うちの親は、龍線とか龍道って呼んでるけど」

と、亜由美。こっちはストロベリーを食べ終えたところ。


「ああそれだ。龍神様の通り道だって言い伝えなのよ」


「みんなはそれ信じてるわけ?」


「だってね」


みんなは笑いながら子供の頃の話をした。


悪いことをしてもすぐバレてしまった事。

山の中で迷子になって見つけられた事。

一人で遊んでいて池で溺れかけた子が助け出された事。

『線』に囲まれた場所でなら龍神様の目に留まるのだという。


「よその土地から来た人にとっては迷信に見えるんだろうけど、ホントにホントなの」

美幸は真剣な眼差しで言った。

「だから、バカバカしくてもこの土地のルールを守って。そうしたら志鶴も安全だから」