「お母様に差し上げるつもりで、お部屋にお飾りなさいまし。お仏壇は形に過ぎません。お母様は志鶴様の心の中にいらっしゃいますよ」


そうね


「話してよかった。ずっと気になってたの」


「お役に立ててようございました。それにしても、お母様に差し上げるのなら、もう少し精進して腕を上げていただかなくては」

和子さんはわたしの活けたお花を見て、顔をしかめた。

「元気ばかりがよくて、趣がございませんね」


まんま、わたしじゃない


「まあ、圭吾様がおそばに置きたくなるお気持ちも分からないでもありませんね」


「元気だから?」


「気持ちいいほど真っ直ぐだからですよ――脚を崩されては? 急に長時間の正座は無理でございますよ」


は……早く言って

イテッ! イタタタタ


「それに、見ていて飽きませんもの」

和子さんはホホホと笑った。


見てなさいよ

みんなが驚くようなお嬢様になってみせるんだから!