チラッと見えた男の子の横顔はとても綺麗で、圭吾さんにちょっと似ていた。


親戚かな……?


二人は少し離れた場所で立ち話をしていた。

時々、男の子がわたしの方を見て、何かを言っていたようだった。


しばらくして、圭吾さんが一人で戻ってきた。


「お待たせ。今度こそ帰れるよ。それともどこかに行きたい?」


わたしは首を横に振った。


「帰って倒れたい」


「了解」


圭吾さんは車のエンジンをかけ、車を出した。


「何も聞かないんだね」


「みんな、聞いて欲しい事は自分から話すから。言わない事は、ひょっとしたら、聞かれたくない事かもしれないでしょ?」


少しの沈黙の後


「君は人の気持ちに敏感だね」

圭吾さんが言った。


そう?

考えた事もないけど