出だしとしては悪くない。

元の学校でもそれほど仲のいい友達がいた訳じゃないもの。

ここでも上手くやって行けるだろう。


わたしは席につくと、携帯電話を取り出した。


『席は見つかりました。困っている事はありません』

圭吾さんに送信――っと


すぐに返信が来た。


『よかった。じゃ、また後でね。帰りは駐車場で待っている』


はいはい


「おっはよー」

元気な声と共に、隣の席に誰かが座った。


『おはよう』と言って横を見て、驚いた。


茶髪のド派手な女の子が、興味津々といった感じでわたしを見ている。


そ……それ、つけまつげ?

目の色がやたらに薄いのは、カラーコンタクト入れてるから?


「あなたさ、羽竜本家に来た人でしょ?」

「そう……だけど?」

「やっぱり! さっき本家の圭吾さんといるの見たんだ」