「それで圭吾、手続きの時は貴子伯母様から書類が出ているが、お前が保護者でいいのか?」

「僕でいい。何か問題でも?」


やっぱり圭吾さんはこの人と仲悪そう


「いや……問題はないが。いくつか書類を書いてもらうぞ」

「構わないよ」


うわぁ 冷気が漂ってる


圭吾さんは勧めもされないうちに、わたしを応接用の椅子に座らせ、自分はひじかけのところに浅く腰掛けた。


校長が書類を挟んだボードとペンを差し出す。


「この娘のクラスは?」

書類にペンを走らせながら圭吾さんがきく。

「編入試験の結果からいくとBクラスだ」

「それで結構。特別な成績を求めているわけではないから構わないよ」


ブーッ! 平凡な成績で悪かったわね!


「それでは担任を呼ぼう」

「それには及ばない。自分で連れていくから――志鶴、ここ書いて」


はいはい 生年月日と本籍ね


わたしは圭吾さんが指さした所を書き入れた。