めまいしそう


「あの……今さらなんですけど、圭吾さんちって殿様かなんかですか?」


「殿様ではないけれど、この辺の地主だったみたいだね」


うわぁ~ん 勘弁してよ


「やっちゃいけない事とかあるのかなぁ?」


「旧家なんてやっちゃいけない事だらけだよ。いちいち気にしなくてもいい」

圭吾さんはわたしの制服の乱れを直しながら微笑んだ。

「君はそのままでいいよ。何か言われても無視しておいで。君がどんなヘマをしようと母も彩名も僕も気にしない」


うー


「わたしがヘマするの前提?」

「前提だよ」


だよねぇ


「用意はいいかい、従妹くん? 校長室にご案内しよう」

「校長先生も親戚だったりする?」

「従兄だ」