「えっと……お仕事は何を?」


「家業を継いでいる。半分以上は不動産管理が仕事だね。趣味は読書で、好みのタイプは髪が長くて小柄で悲鳴の大きな娘(こ)」


「からかわないで」


「だって見合いの席の質問みたいだったよ」

圭吾さんは笑いながら言った。


「お見合いなんてした事あるんですか?」


「あるよ、何度かね。いつも先方に断られてばかりだけど」


信じられない。こんな綺麗な人なのに?


「みんな羽竜という家柄に惹かれるくせに、僕に会うと逃げ出す。彩名に言わせると僕は気難し屋らしい」


「ええと……そんなに急いで結婚しなくてもいいんじゃない? 圭吾さん、二十一? 二? まだ若いでしょう?」


「二十二歳だよ。でも、周りが放っておいてくれない。うちは羽竜の本家だから」

深いため息一つ

「とっとと結婚して、後継ぎを作れって事だろうな」


何だか大変そう