迷惑って――


「ほら僕は弟だから、何て言うか……兄貴の真似事をしたかったんだけど。まあ、君が迷惑だって言うんなら仕方がない」


ええっ?!

そうじゃなくてっ!


「迷惑なんかじゃありません!」


思わず大きな声で否定すると、圭吾さんがニコッと笑った。


「そう? それなら、僕が君の周りをうろついても平気だね?」


あ……あれ?


「妙な遠慮はなしってことでどう? 僕も彩名も君と仲良くなりたいし、君にこの家で楽しく暮らしてもらいたいんだ」


「えーと……あの……」


「とりあえず僕も部屋に戻るから、途中まで一緒に行こう。何せだだっ広い家だろ? 最初のうちは迷子になるよ――じゃあ彩名、また後で」


何? なぜ? どうして?


気づいた時には、わたしは圭吾さんに連れられて、二階への階段を上っていた。


それにしても


手、繋ぐ必要あるんだっけ??