「僕も行くよ」


「あらまあ、どういう風の吹き回し?」


「一緒にいれば、それだけ早く馴染むだろ?」


「あなたにしては、いい心掛けね」


どうやら圭吾さんは、真剣にわたしを預かろうと決めているみたい。

『お荷物』だと思わないでほしいな……


「あの……わたし、そろそろ部屋に戻って荷物を整理してきます」


「もう?」

圭吾さんが顔をしかめて言った。

「手伝おうか?」


「いいえ! お手伝いしてもらうほどの量じゃないので」


「それなら――」


「圭吾」

彩名さんが警告するように圭吾さんの言葉を遮った。

「少し休ませておあげなさい」


「分かったよ」

圭吾さんはあきらめたように、ため息をついた。

「じゃ、夕食の時に部屋まで迎えに行く」