秘密の。

「な…いやだー!」

山ちんが教室を出てみんなが集まってきた。
もちろん矢吹くんの席に。

「斗真。がんばれよ笑。」
「ぶっきーがんばりな!笑」

みんなが矢吹くんのことをはげましている。
私はもちろん声をかけない。
だって、『矢吹くん』なんて呼ぶのは私ぐらい。
みんな斗真とかとーまくんとかぶっきーとか。
そんなあだ名で呼んでる。
そもそも、昨日まで話したことなかったし…。

「なあ、おーい!西山?」
「……え?」

私は突然のことに空いた口が塞がらない。
って言うような状態だ。
なぜなら、突然話しかけてきたからだ。矢吹くんが。
みんなも私と矢吹くんに注目してポカンとしてる。

「頼むー!」
「な、な、な、なにが?」
「だから、手伝って?」
「何を?」
「掃除を。笑」

う゛…。
その顔は…。

「わかったょ…。」
「さっすが西山!」

みんながざわつき出す。

「え?斗真おまえ愛ちゃんとなかいーの?」
「まーな♪」
「なんで俺に紹介してくれねーんだよ!」
「なんでおまえに紹介しなきゃなんねーんだよ。」