ふと気付けば、自分はもう濡れてなくて、『あぁ、自分は助けられたんだ』とわかった。
「――…起きたか、小娘」
名前を名乗ったのに、小娘呼びって何!?
「…」
無言で男を睨むと、男は人をバカにしたような顔をした。
「……アンタ、名前何」
「…クロード」
自分の問い掛けに、渋々と答える。
「クロード、」
ぼそりと呟くと、彼は嫌そうに顔をしかめた。
「………ありがとう」
その顔は見なかったことにして、思ったままの言葉を口にし、重くなってきた瞼を閉じた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…