「…ねむ」
昼休みが終わり、授業中にも関わらず、琉はフラフラとさまよっていた。
足は自然に誰もいないはずの屋上へと動く。
ここで某完璧超人に遭遇してしまうとアウトだが、琉は未だに彼女と遭遇したことはなかった。
つまり悪運が強いのだ。
がちゃっ、と屋上のドアを開ければ、きらりと光る青空と。
「…ラビ。」
そういえばラビは控えめで暗い奴だが、サボりは珍しくない。
琉と鉢合わせもよくある事だ。
「今日も遅かったな」
何故か今日はアコギではなくエレキを持つラビに嫌みを言われるのをスルーして、琉はすとんとラビの隣に座った。
「何でエレキなん?」
「気分」
気になっていたことをぼそりと呟いた琉に、キッパリとラビは答える。
「………さよか。」
特に突っ込むこともなく、ラビに背中を預けた琉は、"もう一人"来るのをぼんやりと待った。