《なずなの想い、》

クロードが琉の部屋から戻ってきたのを目撃したなずなは、焦っていた。

「(……何やねんあの顔っ!!

気持ち悪っ!!)」

何故なら、クロードは酷く下手くそな―多分自覚してないのだろうけど―笑みを浮かべていた。

それはなずなにとって、引くぐらい気持ちの良いものではない―でも嬉しい事ではある―。

「(ま…、琉が何か、"クロードにとって"良い事をしたって考えれば、納得出来るわ…。)

……うん、プラス思考で行こか」

一人で納得していると、近くを通ったクロードがなずなを変なものを見る目で見ていたことを、なずなは知らない……。