ガチャ
ドアノブを捻り、足でドアを蹴り開けた。
「相変わらず足癖悪いっスね、琉先輩」
クスクスと笑う訪問者の名は、月人。
方向音痴姉を追っかけ回す、元チャラ男で、宇宙人だ。
「煩いな遅刻魔宇宙人。
何の用」
舌打ちをする真っ黒琉に月人は苦笑いを零す。
「(黒っ…)
あ、いや、実は、リュウに頼まれ事されたんスよ。
あと宇宙人言わんで下さい」
しどろもどろに答え、月人はピラピラとメモを見せる。
ついでに念も押していた。
「…考えとく。
で、頼まれ事って何?」
ちなみに何(なに)と書いて"なん"と読みます、多分当て字。
「えーっと、今のところ書いているのは、『琉とジャンプの話』、『琉はどんな曲を聞いているのか』、『琉の性格』ですかね」
そう言う月人をめんどくさそうに見る琉。
その顔はまさに、『何でウチがチャラい宇宙人と話さないといけないんだよコノヤロー』、と言っている。