「もしかして‥お前、ファーストキスだったりする?」 弘樹が申し訳なさそうに言う。 「ま、まさか!とっくに経験済みですよ!」 私は裁縫セットを片付けながら言った。 「‥まじかー、ごめん」 弘樹はなぜか落ち込んでる。 「あ‥あの、別に大丈夫だよ?」 私は弘樹の肩に手を置く。 「私、全く嫌じゃなかったから!」 私は力強く言った。 本当に、嫌じゃなかった むしろ‥‥ 「‥う、嬉しかった」 私は小さく言った。