「弘樹ーー!!まだー???」


「今作ってるから!待っとけって!」








あの夜から半年が経った。


あの日から美希と付き合い出した俺は、次の日純子さんに約束を守れない事を謝りに行った。


正確に言うと、店に呼んだから、謝る為に来てもらったんだけど……


純子さんの希望には応えられないけど、あれだけ尽くしてくれた純子さんに俺なりに恩返しがしたいと思った。


俺は朝からかなりの数の花屋を周り、何軒かの宝石屋を周り、ありったけのバラを店に飾り、自分なりに懸命に選んだネックレスを純子さんに渡した。


そして純子さんに胸の内を正直に話した。


純子さんは最初は怒ってたけど、途中から呆れたのか


「負けたわ」


と言って少し笑って帰っていった。