「………」 美希は完全に怪しいといった表情で俺を見ている。 「隠してるつもり…?何かあったの?……って言っても何も話さなそうだから良いや」 美希はそう言って、俺の手を引っ張って、大通りに向かう。 「ちょっ…引っ張んなって!タクシー乗んのか?」 「うん。弘樹くんも一緒にね」 美希はきっぱりそう言い放つと、右手を上げてタクシーを止めた。 「え?!ちょ、どういう…」 「はいはい、良いから乗った乗ったー」 俺が何か聞く間も無く、美希に背中を押されタクシーに押し込まれた。