「どうかしたの?」 黙り込む俺を心配したのか、美希が俺の顔を覗き込む。 「いや……ごめん、何でもない」 俺は美希から腕を離した。 「よし、帰るか!もう遅いし家まで送るよ。って、こっからタクシー乗るか?」 気持ちを悟られない様に明るく振る舞ってみたが、明らかにわざとらしかった気がして、自分で恥ずかしくなった。