「どうしたの?」 外に出ると、美希が道路のど真ん中に立っていた。 「弘樹くん…」 「そんな格好で…寒くないの?」 美希はノースリーブのドレスに、薄いストールを羽織っただけの格好だ。 「寒い!けど、寒くない!」 美希がブルブル震えながら話す。 どっちなんだよ…って寒いに決まってるか 「これ、着て。寒いだろ?」 俺はスーツの上着を美希に羽織らす。 「ありがとう…」 美希は鼻をすすりながら軽く頭を下げた。