「おう!言わなかったか?」
拓実さんは笑顔で答える。
「…」
拓実さんのこんな表情は初めて見た。
いつも眉間にしわを寄せているか、作り笑いだったから…
「聞いてないっすよ!今何歳なんすか?」
「実はさ、まだ生まれてなくて」
「え?」
拓実さんは照れ臭そうに言う。
「結婚したのも最近なんだ。今の奥さん、遊んでた女の内の一人だったんだけどさ、急に子供できたーとか言われて」
「そいつ、俺の事大好きでさ、でも俺は遊びまくってるからさ。いきなり子供出来たとか言われた時、一瞬、こいつの陰謀か?とか思ったんだけど」
「凄い嬉しそうな顔で報告してきてさ、その顔見たら、なんかこいつと家庭作るのもいいかなって思っちゃって」
