「あ、これ今月の給料」 俺は給料袋を、無理やり母さんに持たせた。 「え?」 「ごめん一瞬外出てくる!」 こんなにどうしたの?という母さんの言葉を待たずに、俺は外に出た。 近くの公園まで力なく歩く。 「……なんでだよ」 フラフラと誰もいない夜の公園に入り、ベンチに座った。 「なんで、母さんばっかりこんな頑張んなきゃいけないんだよ…」 母さんを残して死んだ親父を初めて憎いと思った。 「俺が……」 俺が、支えないと。 改めて、そう思った。